高齢者雇用について

土曜・日曜は、わしらのウィークデイ。

平成14年4月より加藤製作所では土日祭日をシルバー世代の方が中心になって工場を動かしていただく、新しい試みをスタートさせました。

その意図したところは、「年金が満額もらえる範囲で、働く意欲のあるシルバーの方に会社に来ていただければ、工場の稼働率があげられる。それで働く意欲のあるシルバー世代の方にいきがいと収入の道を提供できればまさに一石二鳥ではないか」

そんな気持ちから、中津川市内に募集チラシで「意欲のある方求めます、男女問わず。ただし年齢制限あり。60歳以上の方」そう呼びかけたところ大きな反響があり100人以上の方に面接に来ていただいていまも多くの方に働いていただいています。

すべては一枚の写真から始まりました

土曜・日曜はわしらのウィークディ。

会議室の前の壁には社員がとったおばあさん(故人)の写真がありました。

そこにはいきいきとした表情、明るい笑顔、働く喜び、生きる喜びに充ち満ちている。巷間、語られる少子高齢化社会のイメージになにか違和感を感じました。高齢者一人を若い人何人で支える社会、そもそもそういう発想自体が間違っているのでないか?社会はみんなで参加し、助け合うもの。

働くってなんだろう、生きるってなんだろう。

この一枚の写真は一人一人の心に語りかけているかのようでした。

シルバー大作戦の功名

意欲満々の元気なシルバー世代の方々のおかげで目標だった365日稼働の「コンビニ工場」はほぼ順調に実現することができました。

土日祝日だけだったはずのシルバー世代の方々のなかには現役世代の社員から望まれて平日も来ていただいている人もいます。いまやシルバー部隊の方ひとりひとりが加藤製作所のかけがえのない同僚です。

シルバー世代の方々の明るくいきいきと働いているひとりひとりの姿を見ていると「いきがいと収入の道」を提供するという目標もほぼ達成できているのではと自負します。

少子高齢化社会における雇用の新しいカタチとして

新聞雑誌40誌以上に掲載されました

またこのシルバー大作戦は思わぬ反響がありました。少子高齢化時代の雇用のモデルケースになるのではとマスコミの方が注目してくださいました。

テレビ取材28局、新聞雑誌100誌以上、事例紹介の講演依頼26回 工場見学の来訪者数315団体1,000名以上(令和4年1月末現在)、 ついには平成14年度厚生労働省の全国高年齢者雇用開発コンテストで最優秀賞を受賞することもできました。

平成14年度厚生労働省の全国高年齢者雇用開発コンテストで最優秀賞を受賞

地方の典型的な中小企業である加藤製作所にここまで光を当ててくれたシルバーさんひとりひとりに日々感謝です。

私どもが投げた小さな石の波紋がやがて社会に広がり日本に確実にやってくる少子高齢化社会における雇用の新しいカタチとして範を示せたら望外の幸せです。